朴槿恵(パク・クネ)大統領とバラク・オバマ米大統領が25日午後、大統領府で行う首脳会談では、米韓自由貿易協定(FTA)や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)など経済分野の問題が主要な議題として取り上げられる見通しだ。
TPPは米国の主導のもと、アジア·太平洋地域の関税撤廃と経済の統合を目指した協定で、包括的なFTAの性格を帯びている。米国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、日本など合計12カ国が参加している。
全世界のGDPの38%を占めるこれらの国は2015年までに商品の関税撤廃だけでなく、知的財産権・労働規制・金融・医療などの分野の非関税障壁排除を目指している。
米国のメディアは、韓国をはじめとするオバマ大統領のアジア4か国歴訪の目的は、TPP交渉の推進にあると報道するほど、米国はTPPに力を注いでいる。
朴大統領も今年1月10日、ブルームバーグ通信とのインタビューで、「TPPに公式参加することを期待している」と明らかにした。シンガポール、カナダなどの既存の参加国の首脳との会談で、TPP参加のための協力を要請するなどもした。
政府レベルでは、昨年11月にTPP参加について正式に関心を表明した後、既存の参加国との予備両者の協議が進行中である。
したがって、朴大統領とオバマ大統領との今回の首脳会談は、韓国がTPPに参加するかどうかを決定する分岐点になるものと見込まれる。
しかし、オバマ大統領が先に行われた日本訪問で、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の日米安全保障条約の適用対象を言明してくれた代わりに、農産物を含むTPPの「例外のない関税化」を貫徹させようような戦略をとったように米韓首脳会談でも、TPP参加の承認を前提に、一定の「見返り」を要求するだろうという観測だ。
これに関連し、オバマ大統領は、韓国訪問に先立って、中央日報との書面インタビューで、「現在、我々は11か国のTPPのパートナー国との交渉に集中している状態なので、他の国が新たに交渉に飛び込むのは容易ではない」としながらも「事実、韓国がTPPに参加する最良の方法は、米国と緊密に協議し、米韓FTAを忠実に履行すること」と話した。
韓国がTPPに参加するには発行3年目を迎える米韓FTAの完全移行が先行しなければならないという立場を再確認したものである。オバマ大統領は「米韓FTAが完全に履行されるために解決しなければならないいくつかの問題があり、今回の訪韓の際、朴大統領と議論することを望んでいる」とも述べた。
これは、米国の貿易赤字で韓国が占める割合が大きくなっていることによるものである。関税庁によると、韓国の昨年の対米貿易黒字は205億ドルで、2年連続で過去最高を記録し、FTA発効前の2011年の116億ドルの貿易黒字を記録したものと比べて76.7%も増えた。
2012年米韓FTA発効後の拡大された貿易赤字のアメリカ政界と経済界の不満が沸騰した理由だ。米国政府も、韓国の経常黒字が過剰であるとの認識である。
これにより、オバマ大統領が今回の首脳会談で、韓国のTPP参加することにより、自動車や金融、製薬、医療機器、原産地規則、関税などの分野で米韓FTAの完全移行を促すだろうという見通しだ。
※翻訳:ポー(一部抜粋)
한·미 정상회담, ‘FTA 완전이행-TPP 참여’ 논의 관심
NEWSis(韓国語)(2014-04-25 12:01:56)
オバマ大統領は同日午後、日本から韓国入りする予定。朴大統領はオバマ大統領が青瓦台(大統領府)に到着し次第、歓迎式典を開いた後、約1時間にわたり首脳会談を行う。
会談では韓米同盟の発展方向や北朝鮮の動向、北東アジア情勢など戦略的な協議が行われる予定。とりわけ、オバマ大統領は来年末に予定されている韓米連合軍司令官(在韓米軍司令官兼務)から韓国軍への有事作戦統制権移管をめぐり、移管時期を再考すると表明する見通しだ。
韓国は盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年、米国との国防相会談で作戦統制権を2012年4月に韓国軍に移すことで合意した。しかし、李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2010年3月に北朝鮮による韓国海軍哨戒艦の沈没事件が発生し、同年6月の韓米首脳会談で移管時期を2015年12月1日に先送りすることで合意した。
韓国側は再び移管時期の延期を求めているが、米政府はこれまで明確な立場を示してこなかった。今回オバマ大統領が再考すると表明すれば、作戦統制権をめぐる当局間の協議に弾みがつきそうだ。