【塊根植物】Operculicarya pachypus , seeds-オペルクリカリア・パキプス 育て方・株の増やし方 備忘録

Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】

Operculicarya pachypus
オペルクリカリア・パキプス

ワシントン条約でも国際的な商取引が一切禁止される上位である一種のサイテス(CITES Appendix II,2010年6月23日)に指定されています。Operculicarya decaryi(オペルクリカリア・デカリー,2013年6月12日)、Operculicarya hyphaenoides(オペルクリカリア・ヒファエノイデス,2010年6月23日)も付属書IIに記載されています。樹皮は灰色のコルクのような凹凸ができ、幹は成長するにつれ樽状に太っていきます。枝は灰色から灰褐色でジグサグに伸び、小くて丸い葉っぱを旺盛に茂らせます。痩せた砂質の土壌に自生しています。

【科・属】
Anacardiaceae Operculicarya
ウルシ科オペルクリカリア属
【原産地】
マダガスカル – トゥリアラ州(Toliara)

ワシントン条約の対象種(附属書)一覧表 植物

ワシントン条約の「付属書」というのは、絶滅の危険性に応じた取引規制のカテゴリー(ランク)で、絶滅のおそれの度合いに応じて、規制内容の異なる「附属書 I 」「附属書 II 」「附属書 III 」の3つに分かれています。

附属書I:商業のための輸出入は禁止される。学術的な研究のための輸出入などは、輸出国と輸入国の政府が発行する許可書が必要となります。
附属書II:輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となります。
附属書III:輸出入する場合には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となります。
ワシントン条約付属書・植物(平成29年1月13日時点版)
※COP17での改定は来年初頭に反映される予定

鉢の選び方・植替え時期について

植替え時期は株の状態を見ながら行います。2年に一度ぐらいの間隔で行います。調子良く成長している場合、1年で根が鉢底等からはみ出る場合があります。オペルクリカリア属は直根が発達しやすく、放っておくと鉢底まで達したのちに鉢に沿ってトグロを巻いてしまいます。細い根は直根の途中から生えてきます。将来浅く植える場合は、根を早めに切り詰めていき、浅い位置から細い根の発根を促します。切り取った根は根挿しとして新たな株として増やすことも可能です。小さな鉢よりも縦長の鉢で育てることにより根を元気で丈夫に育てることができます。

使用している鉢は『モスポット(Moss Pot)』。石膏型の代わりに麻の袋を使い成形された陶器鉢。色も光の当たり具合によって、ブラック~グレーと見え方が変わり、鉢の色が黒いため根が温まりやすく、通気性も良いのでこちらをメインに使用しています。欠点として鉢の内側表面が粗いため、鉢の内側に根が張り付き、植え替え時に割らないと抜けなくなる点ですが、数百円〜千円程度の鉢ですので無理に根を引きちぎって抜くより、植替えをする際は鉢を割って植え替えを行います。


栽培用土について

用土については下記の割合で配合し、フルイにて微塵をよく取り除いた後に水洗いし、天日乾燥・消毒したものを使用しています。そこにオルトランDX、マグァンプK(大粒)を適量混ぜ込んでいます。
・超硬質赤玉土の小粒 or 赤玉ボール(商品名)の小粒:5割
・日向土(小粒):2割
・ゴールデン培養土 球根用:1割
・バーミキュライト:1割
・ゼオライト:1割

オペルクリカリア属を元気に育てるための要素の一つとして、根を健康に育てることが重要になります。健康な根は土の中で伸び、広がることで土をしっかりとつかみます。しっかり根が張ることにより植物が安定し良い株に育ちます。枝葉が増えれば葉からの蒸散量も増えるので、その分根から水分の吸収を促します。根腐れを防止するためにも風通しが必要となります。その理由は、葉から水分が蒸散するとにより、根から水分吸収を促すことになり根を健康に育てるための大切なサイクルとなります。

超硬質な赤玉土はとても固く数年は崩れずに粒の状態を保てるので、団粒構造により水はけの良い状態を保ちつつ、水持ちもしっかりと保ちます。赤玉土や鹿沼土だけではリン酸分を吸着して植物が吸収しにくいため、排水性と保水性が高いバーミキュライトを加える事で効率よく肥料分を吸収させることができます。さらに、ゼオライトを加える事により土や水の中の不純物を吸着して浄化することにより、嫌気性菌が繁殖し植物の根や茎が汚染され腐食し根腐れを抑えることができます。注意点としては陶器鉢と土との組み合わせは土の乾きが早くなるので土の乾き具合に注意し水やりをします。

栽培場所について

【置き場所】
年間を通して日光のよくあたる場所で管理します。オペルクリカリア属を栽培する上で日光はとても重要な要素となります。日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。特にオペルクリカリア・パキプスは寒さに弱いので、冬場でも日光のよく当たる場所で管理し株や鉢の温度が上がるようにしてください。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシ等の害虫が発生しやすくなります。夜間の最低気温が15度を上回る場合は、遮光やUVカット等のない屋外で直射日光や風に当てたほうが、より締まったコンパクトな樹形に育ちます。硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意して管理します。

水やりについて

成長期の初夏から秋にかけては、用土が乾燥してからたっぷりと水やりします。直射日光の長時間当たる場所で管理している場合、梅雨明け以降は雨ざらしにし雨風に当てた方が調子よく育ちます。露天で育てる場合、水やりは雨のみにまかせる手もあります。

秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めてからは断水気味に管理します。小さな株や、活着前の株は長期間断水すると株が弱る場合があります。また休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせる程度に水やりすると、細根が完全に枯死することを防げる場合があります。寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にします。春になり気温が上昇し始めると葉が徐々に展開し始めますが、いきなりたくさん水やりはせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。

肥料について

肥料は元肥にマグァンプKの大粒を適量、成長期に1-2カ月に1回程度、ハイポネックス原液を1000倍程度に希釈したものを与えています。元肥は植え替え時のみ与え、次回植え替えまで追加しません。肥料をあげると旺盛に葉を展開しますが、枝が伸び徒長します。なるべく肥料は控え、成長期の夏に微量元素が不足しない程度にごく少量のみ施肥します。水・肥料を控えめに長期間じっくり育てることを「堅作り」といい、成長速度はかなり遅くなりますが、丈夫で形の良い株になります。

剪定について

パキプスに関しては、根の張り方や幹の模様、枝ぶりや樹木の姿勢なども楽しむことができます。手を加えないで育てマダガスカルの大自然の風景を出現させたり、枝をコンパクトに剪定し木を眺め盆栽(BONSAI)として目指す樹形に近づける楽しみもあります。木は枝を切られるとカルス(癒合組織)を発達させて傷口を塞ぎますが、大きい切り口を作ると癒合に時間がかかり菌や害虫など外敵に侵されるリスクが増します。ゲッター水和剤等で消毒後、トップジンMペーストを塗布しても良いかもしれません。ただし、トップジンはしばらくの間、オレンジ色で目立ちます。あくまで自己責任の元、実施してください。

温度管理について

パキプスの自生する地域は、マダガスカルの中でも気温の高い乾燥地域です。パキプスは寒さに弱いのでなるべく冬は暖かいところで管理します。10月頃から気温が下がり始めると、落葉する直前には葉が赤く染まり、紅葉を楽しむことができます。秋から春頃まで休眠します。落葉し休眠しはじめたら無理に起こそうとせず、春まで休眠状態で過ごさせた方が良いと思います。パキプスはとにかく寒さに弱いため、最低気温が15度を切らないように温度管理を行う必要があります。また休眠中も表皮から光合成を行い寒さに対する体力を静かにつけています。休眠中も日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

マダガスカル トゥリアラと岐阜県の気温および降水量

トゥリアラの月別気温(Toliara Temperature)
月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月
平均最高気温(℃) 32.2 32.3 32.0 30.6 28.6 26.9
平均最低気温(℃) 22.9 22.9 21.9 19.9 16.9 14.8
降水量(mm) 94.7 88.7 35.9 17.7 15.8 14.9
平均日照時間(h) 310.7 271.9 299.9 289.4 296.4 282.5
月別 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温(℃) 28.7 28.7 29.5 30.5 31.5 31.4
平均最低気温(℃) 14.4 14.8 16.2 18.5 20.3 22.1
降水量(mm) 6.2 5.6 7.8 11.9 21.7 97.0
平均日照時間(h) 295.3 315.4 304.4 314.3 316.2 300.6

※トゥリアラの年間平均最高気温 29.8℃、年間平均最低気温 18.8℃
年間降水量 417.9mm

岐阜の月別気温(Gifu Temperature)
月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月
平均最高気温(℃) 9.3 9.6 13.6 20.0 26.1 27.6
平均最低気温(℃) 0.4 1.1 3.6 9.9 15.5 17.9
降水量(mm) 51.5 60.5 85.5 180.0 81.0 176.5
平均日照時間(h) 182.4 169.7 216.6 202.2 221.7 229.5
月別 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温(℃) 32.5 32.9 28.7 22.1 16.1 9.8
平均最低気温(℃) 24.6 24.6 19.4 14.7 7.1 1.8
降水量(mm) 247.0 249.0 124.5 513.5 43.5 51.5
平均日照時間(h) 158.6 167.0 186.5 117.3 159.2 167.0

国土交通省 気象庁 気象データ(2017年 岐阜県)

種子の譲渡について

種子を希望される方については種子をお譲りいたしたいと考えています。年によって譲渡できる数にも限りがあります。ワシントン条約でも国際的な商取引が一切禁止される最上位である一種のサイテス(CITES Appendix II)に指定されている種子でもあります。マダガスカルの植物を日本で復活させ、今後マダガスカルの自然保護のために何かしら個人レベルで支援できればと考えております。私の考えを理解し情報交換や栽培協力、栽培支援していただける方を優先に譲渡しております。オペルクリカリア属は雌雄異株で雄株・雌株の開花のタイミングを合わせるのが難しく、採取できる種子の数量に限りがありますので全ての方のご希望にお応えすることは難しいかと思います。

栽培方法は環境によってそれぞれ異なります。上記のとおりに栽培しても上手く栽培できる保証はありませんので、あくまで参考情報としてご理解お願い致します。栽培中のパキプスの見学等のご依頼に関しては、基本的にお断りさせていただいております。

栽培記録

Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】パキプスの枝の特徴はジグザグに伸びていきます

Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】パキプスの葉は小さくツヤがあり太陽の光を浴びてキラキラ輝きます

栽培記録・備忘録

Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】今年も種が発芽しました♪
撮影日:2018年9月28日


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】硬い殻を破り次々と発芽します♪温度は28℃〜30℃で管理中です。
撮影日:2018年9月29日


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】パキプスの種子の発芽は神秘的で謎めいています。どのような条件で発芽するのか。種まきと発芽に関するデーターを集めています。種子の発芽率、播種適期、発芽時期を調べるためにも、これからも種をわずかではありますが配布し情報を共有したいと思います。より多くの人に、パキプスを種子から育てる喜びを経験していただければと思います。
撮影日:2018年10月4日


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】カチカチの種の殻。発芽の神秘 Sense of wonder


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】効率よく水分や養分を吸収するため、根毛(こんもう)で表面積を増やしています。根毛形成や成長速度を制御できればパキプスの個体数を守ることに繋がると思います。


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】播種して約2日で発根し、約8日頃には双葉が開きます。


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】播種して5日目。種の殻はもう落ちそうです。双葉そして真ん中には小さな本葉が確認できます。


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】播種して6日目です。殻が取れる直前です。本葉も成長を始めています。


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】植物の生命力の強さ、前向きに生きる勇気を感じます。


Operculicarya pachypus , seeds (オペルクリカリア・パキプス

【Operculicarya pachypus】播種して10日。植物は大地に根を下ろし生きていく道を選んだ。植物の光合成で私たち地球の生物は生かされている。どんどん成長していくパキプス。
撮影日:2018年10月17日

冬場の日照不足の補光用 LEDライト

ADA ソーラーRGB:4台(60cm)
ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/SS Sunset/サンセット:2台(30〜60cm)※1株につき
ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/FS Fresh/フレッシュ:2台(30〜60cm)※1株につき
※夏の季節に遮光せず直射日光を当て管理した株の場合は、LEDを約30cm上から照射しても葉焼けは起きません。真夏の太陽の照度は約100,000 lx。植物から約30cm離して照射した場合、約30,000 lx弱なので2灯照射することにより、真夏の曇(約50,000 lx)に近い環境を維持することができていると考えています。秋が深まり気温が下がり始めるとパキポディウムの生育に様々な影響が出始めます。葉が黄色くなり古い葉から落葉が始まりますが、室温を25度前後を維持できる環境下では全ての葉が落葉することはありません。他に葉の先端が枯れる場合、原因の多くは水切れ、根詰まりや、肥料の与えすぎです。更にはライトの強すぎる照度や熱による葉焼けなどが考えられます。
UV、青色(460-470nm)、緑色(520-530nm)、赤色(620-630nm)、遠赤色(730-740nm)を光形態形成を確認するために使用
照射時間:8時間(日長8時間(8時間明期/16時間暗期)に設定)
温度管理:23度〜28度(11月〜4月)
※4月から外の環境に順化
※青色(450nm)LEDは伸長抑制(光に向かって伸長する光屈性)を制御する目的として使用

パキプスの発育環境に適した温度と光量とスペクトル、葉緑素計で計測した葉緑素(クロロフィル)量・SPAD値(葉緑素含量を示す値)の栽培実験データ(登録会員限定)

分光照度計測にはC-7000(SEKONIC)で測定。葉に含まれる葉緑素(クロロフィル)量をSPAD値(葉緑素含量)計測にはSPAD-502Plus(KONICA MINOLTA)で測定。

【楽天市場】ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/SS Sunset/サンセット

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