【塊根・塊幹植物】Pachypodium baronii var. windsorii , seeds パキポディウム・ウィンゾリー 育て方・株の増やし方 備忘録

【Pachypodium baronii var. windsorii】

【Pachypodium baronii var. windsorii】実生19年超の株

Pachypodium baronii var. windsorii
パキポディウム・ウィンゾリー

ワシントン条約でも国際的な商取引が一切禁止される最上位である一種のサイテス(CITES Appendix I)に指定されています。パキポディウムも全種が付属書IIに記載され、Pachypodium ambongense(パキュポディウム・アンボンゲンセ)、Pachypodium baronii(パキュポディウム・バロニイ)、Pachypodium decaryi(パキュポディウム・デカリュイ)は付属書Iに記載されています。真っ赤な花を咲かせるマダガスカルの至宝、パキポディウム・ウィンゾリー。ウィンゾリー(windsorii)は、20世紀初頭にアンチラナナ州で最も高い岩山を要塞として利用したウィンザー城(Windsor Castle)周辺で標本個体が採集されたことから命名されました。マダガスカル最北の州・アンチラナナ州と、その隣のマハザンガ州のごく一部の地域が原産。標高120〜460mの岩体域のスロープや急な崖・乾燥した疎林の岩場などに自生しています。

【科・属】
Apocynaceae Pachypodium
キョウチクトウ科パキポディウム属
【原産地】
マダガスカル(アンチラナナ州、マハザンガ州)

ワシントン条約の対象種(附属書)一覧表 植物

ワシントン条約の「付属書」というのは、絶滅の危険性に応じた取引規制のカテゴリー(ランク)で、絶滅のおそれの度合いに応じて、規制内容の異なる「附属書 I 」「附属書 II 」「附属書 III 」の3つに分かれています。

附属書I:商業のための輸出入は禁止される。学術的な研究のための輸出入などは、輸出国と輸入国の政府が発行する許可書が必要となります。
附属書II:輸出入には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となります。
附属書III:輸出入する場合には、輸出国の政府が発行する許可書が必要となります。
ワシントン条約付属書・植物(2016年5月9日現在)
※COP17での改定は来年初頭に反映される予定

鉢の選び方・植替え時期について

植替え時期は株の状態を見ながら行います。2〜3年に一度ぐらいの間隔で行います。調子良く成長している場合、1年で根が鉢底等からはみ出る場合がありますが、すぐに植替えを行いません。ウィンゾリーはやや小さめの鉢で少し窮屈気味に育てた方が詰まった株姿となります。大きい鉢で沢山の用土で植えると、根腐れの原因や旺盛に成長しすぎて間延びした株姿となります。

使用している鉢は『モスポット(Moss Pot)』。石膏型の代わりに麻の袋を使い成形された陶器鉢。色も光の当たり具合によって、ブラック~グレーと見え方が変わり、鉢の色が黒いため根が温まりやすく、通気性も良いのでこちらをメインに使用しています。欠点として鉢の内側表面が粗いため、鉢の内側に根が張り付き、植え替え時に割らないと抜けなくなる点ですが、数百円程度の鉢ですので無理に根を引きちぎって抜くより、植替えをする際は鉢を割って植え替えを行います。

栽培用土について

用土については下記の割合で配合し、フルイにて微塵をよく取り除いた後に水洗いし、天日乾燥・消毒したものを使用しています。そこにオルトランDX、マグァンプK(大粒)を適量混ぜ込んでいます。
・超硬質赤玉土の小粒 or 赤玉ボール(商品名)の小粒:5割
・日向土(小粒):3割
・ゴールデン培養土 球根用:1割
・ゼオライト:1割

栽培場所について

【置き場所】
年間を通して日光のよくあたる場所で管理します。パキポディウム属を栽培する上で日光はとても重要な要素となります。日光が不足すると幹や枝が徒長しやすくなり、日光不足の状態で長時間栽培すると根腐れを起こしたり、株の内部から腐敗しやすくなります。特にウィンゾリーは寒さに弱いので、冬場でも日光のよく当たる場所で管理し株や鉢の温度が上がるようにしてください。
また、風通しの悪い場所ではカイガラムシ等の害虫が発生しやすくなります。夜間の最低気温が15度を上回る場合は、遮光やUVカット等のない屋外で直射日光や風に当てたほうが、より締まったコンパクトな樹形に育ちます。硬く締まった株に育てるためにも日当たりや風通しには特に注意して管理します。

水やりについて

成長期の初夏から秋にかけては、用土が乾燥してからたっぷりと水やりします。直射日光の長時間当たる場所で管理している場合、梅雨明け以降は雨ざらしにし雨風に当てた方が調子よく育ちます。あまり頻繁に水やりしすぎると枝が徒長する場合があるため、その場合は水を控えめにします。成長はより緩慢になりますが、ウィンゾリーは辛めに水やりしたほうが良い株姿になります。露天で育てている場合、水やりは雨のみにまかせる手もあります。

秋に入り涼しくなってきたら徐々に水やりの回数と量を減らし、葉が落ち始めてからは断水気味に管理します。小さな株や、活着前の株は長期間断水すると株が弱る場合があります。また休眠中も月に数回、軽く用土を湿らせる程度に水やりすると、細根が完全に枯死することを防げる場合があります。寒い時期に水やりする場合は好天の続く気温が高い日を狙って午前中にごく少量の水やりし、気温の下がる夜間までにはほぼ乾いている程度にします。春になると葉や花芽が徐々に展開し始めますが、いきなりたくさん水やりはせず、少しづつ水やりの回数と量を増やしていきます。

肥料について

肥料は元肥にマグァンプKの大粒を適量、成長期に1-2カ月に1回程度、ハイポネックス原液を1000倍程度に希釈したものを与えています。元肥は植え替え時のみ与え、次回植え替えまで追加しません。ウィンゾリーは肥料をあげると旺盛に葉を展開しますが、枝が伸びやすくなり、トゲの生える間隔や密度も広がり徒長します。なるべく肥料は控え、成長期の夏に微量元素が不足しない程度にごく少量のみ施肥します。水・肥料を控えめに長期間じっくり育てることを「硬作り」といい、成長速度はかなり遅くなりますが、丈夫で形の良い株になります。

剪定について

ウィンゾリーに関しては芽を掻き取ることや剪定は基本的に行っておらず、自然の樹形のままに育てます。入手当初は親指程度の大きさでしたが、それ以降はとくに剪定、芽の掻き取り等は行っていません。パキポディウム属は盆栽的な剪定等には向いていません。
出始めの芽を掻き取る程度なら問題ないかもしれませんが、そこから雑菌が入り腐りにつながる可能性も否定できないため、お勧めしません。もし、どうしても取りたい場合は、熱湯消毒した切れ味のよいカッターなどで切り、ゲッター水和剤等で消毒後、トップジンMペーストを塗布しても良いかもしれません。ただし、トップジンはしばらくの間、オレンジ色で目立ちます。あくまで自己責任の元、実施してください。

温度管理について

ウィンゾリーの自生する地域は、マダガスカルの中でも最も気温の高い熱帯地域です。ウィンゾリーはパキポディウムの中でも最も寒さに弱いのでなるべく冬は暖かいところで管理します。10月頃から気温が下がり始め落葉が始まります。秋から春頃まで休眠します。落葉し休眠しはじめたら無理に起こそうとせず、春まで休眠状態で過ごさせた方が良いと思います。ウィンゾリーはとにかく寒さに弱いため、最低気温が15度を切らないように温度管理を行う必要があります。また休眠中も表皮から光合成を行い寒さに対する体力を静かにつけています。休眠中も日光にあて、日中に鉢内と植物自体の温度を上げると耐寒性も増します。

マダガスカル アンツィラナナ(北部)と名古屋の気温および降水量

アンツィラナナの月別気温(Antsiranana Temperature)
月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月
平均最高気温(℃) 30.2 30.2 30.6 31 30.4 29.3
平均最低気温(℃) 22.8 22.7 22.9 22.6 21.6 20.2
降水量(mm) 337.5 305.8 179.4 52.3 13.4 19.1
降雨日数(日) 20 18 17 9 7 6
月別 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温(℃) 28.7 28.7 29.5 30.5 31.5 31.4
平均最低気温(℃) 19.6 19.4 20.0 21.2 22.5 22.9
降水量(mm) 19 18.7 8.8 17.4 54.6 170.8
降雨日数(日) 20 18 17 9 7 6

※アンツィラナナの年間平均気温 25.9℃、年間平均最高気温 30.2℃
年間平均最低気温 21.5℃、年間降水量 1197mm
雨季:11月から4月まで
乾季:5月から10月まで

名古屋の月別気温(Nagoya Temperature)
月別 1月 2月 3月 4月 5月 6月
平均最高気温(℃) 9.1 10.2 15.3 20.0 21.3 26.8
平均最低気温(℃) 1.5 1.8 5.2 11.5 16.3 18.8
降水量(mm) 116.0 35.0 139.0 148.5 98.0 196.0
降雨日数(日) 4.6 5.8 9.5 10.1 9.6 11.9
月別 7月 8月 9月 10月 11月 12月
平均最高気温(℃) 30.5 32.9 27.5 23.8 18.6 13.9
平均最低気温(℃) 23.5 24.8 19.8 13.7 10.8 5.7
降水量(mm) 227.5 296.5 262.0 64.5 137.0 83.0
降雨日数(日) 10.4 8.2 11.3 9.1 6.2 3.8

国土交通省 気象庁 気象データ(2015年 愛知県)

種子の譲渡について

種子を希望される方については種子をお譲りいたしたいと考えています。年によって譲渡できる数にも限りがあります。ワシントン条約でも国際的な商取引が一切禁止される最上位である一種のサイテス(CITES Appendix I)に指定されている種子でもあります。マダガスカルの植物を日本で復活させ、今後マダガスカルの自然保護のために何かしら個人レベルで支援できればと考えております。私の考えを理解し情報交換や栽培協力、栽培支援していただける方を優先に譲渡したいと現在考えております。数量に限りがありますので全ての方のご希望にお応えすることは難しいかと思います。

栽培方法は環境によってそれぞれ異なります。上記のとおりに栽培しても上手く栽培できる保証はありませんので、あくまで参考情報としてご理解お願い致します。栽培中のウィンゾリーの見学等のご依頼に関しては、基本的にお断りさせていただいております。

栽培記録

【Pachypodium baronii var. windsorii】

【Pachypodium baronii var. windsorii】実生21年超の株・・・休眠状態(2016年10月27日)

【Pachypodium baronii var. windsorii】

【Pachypodium baronii var. windsorii】実生19年超の株・・・休眠状態(2016年10月27日)

栽培記録・備忘録

11月5日(土曜日):天気(快晴)・・・午前中少量の水やり
11月30日(水曜日):天気(曇り)・・・温度を23〜28度に調整
12月1日(金曜日):天気(快晴)・・・午前中に水やり(休眠から目覚め始める実生5年超の株)
【Pachypodium baronii var. windsorii】

【Pachypodium baronii var. windsorii】実生5年超の株

12月7日(水曜日):天気(快晴)・・・午前中に霧吹き
【Pachypodium baronii var. windsorii】

【Pachypodium baronii var. windsorii】葉が2枚に 活動を始めました(実生4年超の株)

冬場の日照不足の補光用 LEDライト

日照時間
ADA ソーラーRGB:4台(1m)
ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/SS Sunset/サンセット:2台(60cm)
ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/FS Fresh/フレッシュ:2台(60cm)
UV、青色(460-470nm)、緑色(520-530nm)、赤色(620-630nm)、遠赤色(730-740nm)を光形態形成を確認するために使用
照射時間:8時間(日長8時間(8時間明期/16時間暗期)に設定)
温度管理:23度〜28度(11月〜4月)
※4月から外の環境に順化
※青色(450nm)LEDは伸長抑制(光に向かって伸長する光屈性)を制御する目的として使用

【楽天市場】ボルクスジャパン グラッシーレディオ GLRX122/SS Sunset/サンセット

コメント

  1. 田中智久 より:

    はじめまして。
    パキポディウムを調べてたらこちらの記事に辿りつきました。
    いろいろと参考にさせていただきます。
    種子の譲渡の件ですが、自分も実生に興味があり種を蒔きたいと思っております。
    まだ種子がありましたら譲っていただけないでしょうか?

    • Poe より:

      コメントありがとうございます。植物が自然と人の「コミュニケーション・ハブ」となってくれるのは本当に素晴らしいことだと思います。まずは、植物や自然や社会や人を知ることから始まり、植物と人の社会が良好な関係を築くことができればと思います。「時流」は大切だと思います。「時流」を読むには、人を知ることが大切だと思います。つまりは、人や植物に興味を持つことが大切なのだと思います。人は、達成すべきことがある場合、その達成すべきことにだけ集中してしまいがちです。私も植物を試行錯誤しながら育てています。たとえば、私が何を望んでいるのか、この先どういう行動をしたいのかを理解していただけたらと思います。昨年度採取した種は既に譲ってしまし、現在種子はございません。種子を希望される方も多く、私の考えも理解していただける方に優先的にお譲りしております。ご希望の場合は、希望する理由等を教えていただく必要があるので、お問い合わせ欄にお願い致します。種子の数など、ご希望にそえない場合もございますのでご了承お願いします。

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