【猫と考える日本の未来】米韓FTAの勝者は韓国 WSJ | 韓国TPP・FTA関連情報

米韓FTA発行2年目を迎え「韓米FTA」の勝者は韓国だとウォールストリートジャーナル(WSJ)が報じた。

WSJは15日、ウェブサイト「コリア·リアルタイム」に「米国と韓国の貿易活性化のために締結された自由貿易協定で、より大きな利益を得たのは米国ではなく韓国だ」と評価した。

WSJは「KOTRA(大韓貿易投資振興公社)の発表によると、韓国の対米貿易黒字は初年度170億ドル、2年目に200億ドルで、過去2年間で4.1%上昇し、FTA導入前は120億ドルであった」と伝えた。

続いて、「FTAによる恩恵は韓国の自動車部品、石油製品、加工食品であった米国は、揚水機メーカー、殺虫剤、果樹メーカーなどとなっている」と付け加えた。

WSJは「米韓FTA発行以後、韓国の対米輸出は輸出全体と比較して大幅に増加した」とし「韓国は輸出額全体が最初の年は2.0%の減少、2年目2.6%増加した一方、対米輸出額は、最初の年は1.6%増え、2年目は、FTA効果で5.4%上昇した」と述べた。

WSJは「このような結果は、米韓FTAで不利になっていた米国の労働組合の批判が再点火している」と指摘しした。 全米鉄鋼労働者組合のリオ・ジェラード会長(Leo Gerard, President)は「政府の発表はもちろん、議会の調査と経済界の材料をすべて、韓国とのFTAが失敗作であることを確認している」とし「雇用の創出もできず、輸出も増やすことができなかったという証拠は確かだ」と声を高めた。
※翻訳:ポー
NEWSis(韓国語)(2014-03-16 01:22:50)


米韓FTAを含め、TPP妥結への圧力が強まる現時点で様々な情報戦が展開されている。どの分野を見るかによって異なる。米国は知的財産等に重点をおいている。たとえば、医療分野。韓国保健産業振興院が公表した「韓米FTAが国内保健産業に及ぼす影響分析」によると、FTAが発効した2012年3月から8月までの対米保健産業輸出は4億1950万ドル(約331億7400万円)で、前年同期比19.8%の減少となった。一方、輸入は13億4380万ドルで5.6%増加した。これにより保健産業の貿易収支赤字が20%増の9億2430万ドルとなった。これは韓米FTA発効後、対米貿易全体で輸出が3.3%増加し、輸入がむしろ7.3%減少したのとは対照的となる。部門別では医薬品が輸出33.6%減少、輸入15.2%増加、医療機器が輸出8.3%減少、輸入4.2%減少、化粧品が輸出16.7%増加、輸入11.3%増加となっている。正確な効果を分析するにはさらに時間が必要だが、今までのところ国内の保健産業にマイナスの影響を与えている。TPPは農業だけではない、知的財産を含め医療や保険分野など積極的に米国は動いている。米韓FTAの医療関係の項目の原文を読むと理解できるが、米国は韓国と共に協議を行い医療産業を活性化させようと書いてある。しかし、韓国側はコメ以外の全ての品目を自由化し関税も撤廃したため、アメリカの医療器具・薬品・医療に関わる特許で次々と韓国市場を侵食しているのが現状だ。あえて、農業を守ったことによりそれ以外の関税を撤廃し、知的財産で勝負しようとしているのかもしれない。農業を守ったようで守られてはいない。アメリカ・カナダ・メキシコの3か国が結んだ経済協定であるNAFTAの効果でも明らかとなっている。韓国はカナダとFTAを妥結している。発行2年で大きく状況が変わる。内国民待遇(韓国国内において、アメリカ企業やアメリカ人が韓国企業や韓国人と同等の権利を持つこと)が保障されているという点も注意しておく必要がある。日・中・韓FTAで同じような事が起これば、日本国内の企業や生活にも大きな影響が出る。