食べ物のことを大切に考え、環境を大切に持続可能な農業について考えてみたいと思います。家庭菜園のはじまりは、室内でペットボトル水耕栽培です。3月からは本格的に種まきが始まります。
目次
ペットボトル水耕栽培装置の作り方
ペットボトルで、土を使わないでハーブや野菜を育てる水耕栽培キットを作りたいと思います。
・種:リーフレタス(今回は固定種を使います)
・種まき用培地
・ペットボトル(今回は500ml)
・吸水性の良い不織布
・養液:ハイポネックス肥料(チッソ6.5-リサン6-カリ19)
・株元固定用ハイドロコーン(セラミックボール・発泡煉石)など
・遮光用のアルミホイル
※光合成によりペットボトル内の培養水に発生する藻を、遮光することにより防ぎます。藻の発生は生育には影響ありませんが、気になる場合にはボトル内を洗浄し、冠水します。今回、遮光用のカバーも再利用可能を目指し、ペットボトルを覆い水位も確認できるようにしました。
※水は水道水を利用します。ミネラルウォーターは塩素が入っていないため根腐れ等を起こす場合があります。
ポーと猫の写真館
日本の農業とTPP(3)
TPPについて、農業自由化の是非が議論されるのは事実であり、貿易の自由かとは何を指しているのか。そして農業がなぜいつも自由化のネックにとして語られるのか。ありとあらゆるものは交易される可能性があり、一定の品目に区分して、共通した番号を割り振っている。HSコードは、物の名称と分類を世界的に統一し、国際貿易を円滑に行うためのものだ。その数は約9000番にも及び、石油からプラスチック、医薬品から農薬、米(コメ)から錦鯉、美術品から武器まで、ありとあらゆる商品が番号で管理されている。そして、貿易時に課せられる税金や関税はこのコード別に何%かが国別に決っている。
そして、貿易の自由かとは何かとはこれで理解できる。単純に約9000品目の関税を撤廃するということだ。完全な自由化とは約9000品目全ての関税がゼロの状態を、品目ベースの自由化率100%ということになる。逆に約9000品目全てに関税が課せられている状態が自由化率0%ということになる。そこで、日本の自由化率は何%なのだろうか。それを知るには、自由貿易協定(FTA)においてどの国がどれだけ自由化率を実現しているかを調べれば分かる。日本は11カ国とFTAを締結している。
・シンガポール:84.4%
・メキシコ:86.0%
・マレーシア:86.8%
・チリ:86.5%
・タイ:87.2%
・インドネシア:86.6%
・ブルネイ:84.6%
・フィリピン:84.6%
・ASEAN:86.5%
・スイス:85.6%
・ベトナム:86.5%
平均すれば、日本は約9000品目のうち約15%は関税を撤廃していない。他国はどうか。米韓FTAでは、韓国側98.2%、米国側99.2%の自由化率を実現している。米豪FTAでは米国側99%、オーストラリア側99.9%。中国・ニュージーランドFTAでは、中国側97%、ニュージーランド側100%。中国は同様に、シンガポールやチリに対しても97%の自由化率となっている。日本は97%の中国と比較した場合で最高で12%以上も差があり、1%は90品目に相当する。12%は非常に多い品目が関税を撤廃していない状況で、過去5年に締結した協定を見ると、主要国がFTAを結ぶ際に、自由化率97%以上とい水準が標準となっている。お互い自由化を目指して結ぶなか、日本だけが10%以上も低い水準の85%を主張することは先進国として通用しない状況となっている。
なぜ日本の自由化率は低いのか。ここで登場するのが農産物である。日本がFTAで関税撤廃していない品目は940ある。そのうち9割を占める850品目が農林水産物(農産物725品目、水産物95品目、林産物30品目)となっている。米と米関連品目だけでも34品目もある。米より多いのが小麦、大麦、麦芽などのコメ以外の穀物品目の約40品目。さらに100品目を超えるのが脱脂粉乳、バターなどの乳製品。その他、穀物、ミルクなどの調製品130品目やテンサイ、サトウキビなどの糖類10品目となる。これら合わせて350品目について、日本は一環として関税の除外を相手国に求めてきた。つまり、自由化しない除外品目が全品目の4%を占め、これだけ除いても標準的な自由化率97%を満たすことはできない。加えて、保留(スタンドスティル)または再協議を求めている品目が250もある。関税撤廃以外でも、日本は数量制限をも行っている。
日本を除く参加11カ国が、全貿易品目に占める関税撤廃を約束する品目の割合(自由化率)を100%近くに引き上げる方向で最終調整に入ったことが2014年2月19日分かった。2月22日からシンガポールで開かれる閣僚会合で、各国は撤廃の例外とする品目を決めて最難関の関税協議を決着させる方針。日本がコメなど農産品の重要5分野の関税維持を主張し続ければ、交渉から置き去りになる恐れもあり、逆に参加国から別の圧力が加わる可能せもある。
■農産品重要5分野の関税品目数
分野(品目数)
米:58(22)
砂糖など甘味資源作物:131(23)
小麦・大麦:109(58)
乳製品:188(106)
牛肉・豚肉:100(25)
合計:586(234)
※カッコ内は2010年度に輸入実績がなかった品目数
最終的な自由化率は99%超になる見込み。例外は米国の砂糖やブルネイのたばこなどが有力だ。オバマ政権は11月に中間選挙を控え、畜産業界の支持を意識して強硬に関税撤廃を求める可能性も考えられる。日本がすべきことは何か。自由とははかない均衡のうえに成り立っている。経営を不自由にすれば発展が不自由になる。輸入を不自由にすれば輸出も不自由になる。不自由は現状維持さえあやうくする。自由の原点を改めて考え、行動できるチャンスがやってきたのだと思う。
財務省貿易統計
輸出統計品目表(2014年版)
輸入統計品目表(実行関税率表)
つづく・・・