焼杉板に付け替えしたよ♪
Platycerium superbum(プラティセリウム・スペルブム)はオーストラリアのクイーンズランド州(東部)、マレーシア諸島の標高0〜750メートルの熱帯雨林に分布している大型のPlatyceriumです。『森の王冠』とも呼ばれています。貯水葉は深く裂け目があり、高さは1.3メートルに達することも。貯水葉の上部は大きく開き、開いた部分には樹木の落ち葉や水を蓄えるカゴのような仕組みになっています。新しい緑色の貯水葉を前面に展開し、貯水葉が枯れると新たなカゴの一部として重なり合っていきます。
貯水葉は左右交互に展開していき、新しい貯水葉は古い貯水葉を包み込むように成長していきます。株が大きく成長することにより楕円形から三角形に近い形の胞子嚢(ほうしのう)を1枚の貯水葉の中心部に1つ形成し、成熟すると茶色くなります。また、胞子葉は外側に伸びていき、その先端は手の指のように下に伸びていきます。
大型のPlatyceriumなので、大きな草体に育てる為には成長に合わせて大きな板やコルク、丸太等に付け替えていく必要があります。他のPlatyceriumと異なり枯れた古い貯水葉が重なりそこに落ち葉等が積み重なる事により保水能力が高く多くの水を必要としません。過剰な水分は株の成長を遅らせ、貯水葉や根の腐敗を早めることに繋がります。古い貯水葉によったできたカゴに水苔等を多く入れることにより水分を保つことができるので、完全に乾いたらたっぷり水をあげることで成長を維持させることができます。胞子から成長し大きな貯水葉が展開する株までに育てるには約7〜8年は必要になります。
師匠から譲っていただいた「Platycerium superbum(プラティセリウム・スペルブム)」。2019年5月13日に新たな家族が加わりました。師匠が10年間大事に育ててきた株です。沖縄から全国各地で梅雨入りし少しうとましく感じてしまうこともありますが、植物にとっては恵みの雨なのだと思います。6月に入り梅雨に入る前にもう一回り大きい草体を見るために板の付替えを行いました。
師匠の栽培した植物を見て考える。あまり事細かに教えてはもらえないけど、疑問に思い、考え調べれば調べるほど、正直私自身がどれだけ無知であるかを思い知らされれるものです。でも、自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる。いつか師匠を越えれないかと植物について学びチャレンジしたくなる。
Platyceriumに限らず他の植物に対しても同じで、学ぶことの意義とは、単純に知らなかった植物の知識や育てるための経験を得る以上に自分自身を知ることなのだと思います。今までの自分自身から何かを生み出すために、今の自分には何が足りないのか。学びは常に自分と向き合い、努力が足りないという現実を受け止めることだと思います。そして、時間がない、疲れた、また明日にしようと、自分がいかに怠けているのかを痛感することもできます。師匠が栽培を初めて10年の植物を譲り受けたことを喜んでいるだけでは駄目です。植物を集めるのがメインではなく、師匠の知識を写真や書籍などから調べ、考え、次へ繋がる行動へ繋いでいく。
私自身が今持てる力をとにかく発揮する。努力はどれだけしても足りない。だから学びや努力を止めると、私自身が目指そうとしている自分自身を正確に理解ができなくなり、客観的に自分を見失う。今までの人生で何か転機が訪れ、私自身の持てる力をフル活用し、チャンスが訪れたとき、本当の自分と向き合わなければならないと感じています。仮に想像した自分とかけ離れていても、成長は一歩一歩の積み上げであり、サボることにより後退のスピードはより速いものとなります。
付け替えた「Platycerium superbum」。師匠から「欲を言えば、胞子葉の内側にPPテープで固定すれば綺麗に見えるんじゃない?」と言われ俄然やる気が出てきました。これからも、師匠は尊敬できる方であり、目指すべき目標であると同時に、いずれ乗り越えるべき存在なのだと思う。