今日もりくたんハッスル♪ハッスル♪｜【猫と考える日本の未来】次の時代は「デジタル」から「アナログ」へ

今日は12月20日。師走に入り、すっかり街も慌しい季節になりました。みなさんも、大忙しな時期ではないでしょうか。忙しい時ほど多くのことを考えすぎて「どうすればよいのだろう」「何が正しいのだろう」と考え悩んでしまいます。しかし、悩んでもすぐに明確な答えが出ない時はどうすればよいのだろうか。私たちは、忙しいと「自分」という存在を忘れてしまいがちです。「どうすればよいのだろう」と悩んでいるときははまさにその状態で、自分以外の場所に判断を委ねてしまっている状態なのだと思います。しかし、そのような状況で私たちが基準にすべきは考えは「自分がどうありたいか」「自分がどうしたいか」ではないだろうか。自分がどうしたいかを明確に分かっている人は少なく。そんな時こそ「原点回帰」することで、自分が本当はどうしたいのかが分かるヒントにたどり着けるのではないでしょうか。

今は亡き父親が30年ほど前に「これからは一人ひとりが電子的なアドレスを持つことになるらしいぞ」と教えてくれたのが嘘のようです。ブロードバンド、ソーシャルメディア、スマートフォン、マイナンバー、そして「モノのインターネット化（IoT ,Internet of Things）」。人間世界の全てがインターネットに接続され、生活空間は変わったかのように確かに見えます。そして、極め付きは、IBM Watsonを代表とする「人工知能（AI）」ブームであります。「ロボットは人間を超えることができるのか」と再び真顔で議論し始めている。

まだ、人工知能はは早いと考えているかもしれません。しかし、トヨタ自動車は人工知能（AI）の研究で米国の有力2大学と連携することを発表しています。マサチューセッツ工科大学（MIT）、スタンフォード大学と協力することで合意し、5年間で約5,000万ドル(約60億円)を投じる予定です。日本の基幹産業でもある自動車産業が人工知能に取り組み始めました。すでにGoogleは自動運転車がテスト走行として何台も走り回っています。また、日産自動車も自動運転技術の研究開発を加速するため、米航空宇宙局（NASA）と提携しています。人が車を運転しない世界の到来。

しかし、それとは真逆で米国ネット企業最大手のアマゾンが11月にシアトルにリアル書店を開店しました。今後の方針を明らかにしていませんが、評判が良ければ店舗数を増やす可能性もあります。日本を含む世界中がインターネットへの接続という意味での「デジタル化」をすすめる中、何を隠そう、米国勢の、しかもインターネットの世界の最前線は、むしろそれとは真逆の「ナナログ」そのものの、リアルな世界へと回帰しつつあるのです。「世界がネット化＝デジタル化によって完全に変わりきった」というのであれば、こんなことはもはやあり得ないはずです。しかも、米国上場企業において求められている経営の厳密さからいって、経営者の気まぐれで決定されるわけはありません。

したがって、「デジタル化ではなくアナログ化」という、今この瞬間から実は始まりつつありる、最新のメガトレンドが生じる理由は一体どこにあるかということになってきます。理由は非常に単純で気候変動が関係してきています。地球温暖化を含めこれから生じるのは激しい気候変動であり、とりわけその直撃を受ける北半球を中心に世界中で「陣取り合戦」が水面下で動き始めています。すでにそのトレンドは始まっているのであって、現に中東における事実上の国境の再編、あるいは中国の領土的野心を見ていると誰の目にも明らかなのです。簡単に言えば全人類が「空間の整理」を余儀なくされるということになります。

デジタル化とは、要するに2進法に全てを換算するわけであるので、「時間の整理」なのであります。しかし、これが有効なのはあくまでも他の諸条件、とりわけ地球上の「空間」が等質であり、どこまでも行っても基本的にフロンティアが広がっている場合に限られます。デジタル化し、高速化しても非均質的な空間では広がらず、意味がありません。これからのメガトレンドはデジタル化ではなく終わったはずのアナログ化。そして、20年前の記憶、さらにそれ以前まで遡ろうとしているのかもしれません。当たり前と思っていることが2進法で変わる時代の到来です。