韓中FTA第10回目の交渉が3月17日に開幕される。
3月14日、産業通商省によると、今回の交渉では、韓国側は禹泰熙(ウ・テヒ)産業省通商交渉室長、中国側は王受文(おう・じゅぶん)中国商務部部長助理が首席代表として出席する。
今回の交渉でも、両国は商品、サービス、投資、規範および協力分野など全分野にわたり議論を継続する予定である。
商品分野では、品目別関税譲許交渉や原産地、通関、SPS(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)、TBT(貿易の技術的障害に関する協定)、貿易救済分野の統合協定文作業を進めている。また、サービスと投資の自由化方式、知的財産、競争、電子商取引、透明性、環境および経済協力の分野での協定文の中も議論する。
※翻訳:ポー
NEWSis(韓国語)(2014-03-14 11:00:00)
韓米FTAが発効し2年が経過しました。米韓FTAでは「毒素条項」がどれほど効いているのか疑問視されています。昨年の夏頃では農家では特に影響は見られていませんでした。秘密保護等もあり明確な数字を把握できていない状況でした。まず、「毒素条項」に相当する条項は12種類であり、具体的には、
(1)サービス市場のネガティブリスト
(2)ラチェット条項
(3)未来最恵国待遇条項
(4)投資家-国家間紛争解決制度(ISD)
(5)間接収用による損害補償
(6)非違反制度
(7)政府の立証責任
(8)サービス非設立権
(9)公企業完全民営化及び外国人所有持分制限撤廃
(10)知識財産権直接規制条項
(11)金融及び資本市場の完全開放
(12)再協議不可条項
です。
「毒素条項」のなかにも、ラチェット条項、未来最恵国待遇条項といった、食の安全と日本の農業に関係するもの部分もあります。たとえば、ラチェット条項を「毒素条項」とする根拠の一つに、「BSE(牛海綿状脳症)牛肉の輸入を中断できない」といった主張があります。また、未来最恵国待遇については、「日本とFTAを締結する時、農産物分野において、韓国が日本より強い、とうもろこしや麦を相互開放する場合、元の米韓FTAでは開放義務がない、とうもろこしや麦も、ただちに米国に開放しなければならない」といった主張があります。現在日本はTPP参加を表明し妥結に向け交渉をしている段階です。米韓FTAでは農業に影響が無いといった情報もありますが、実際にはどうなのでしょうか。
3月14日、韓国の農林畜産食品部の発表によるとFTA履行により関税が引き下げられ輸入量が大幅に増加したている。オレンジの場合、TPP発行1年前の2011年3月〜2012年2月1億7000ドル分が輸入されたが、発行1年目(2012年3月〜2013年2月)で、2億ドル分で22.4%増加している。また、チェリーの場合は、発行1年前5000万ドルで発行1年目には8000万ドルで22.4%増加している。ブドウは2000万ドルから3000万ドル52.8%増加した。農食品部関係者の発表によると「昨年(2013年)、韓国内の果物の生産は増加し、国内の農家が出荷時期の調整、栽培品種の多様化など、生産構造も変化していると分析される」と語ってている。りんごなど12の主要な果物の国内生産額は2011年の5兆6000億ウォンから2013年には7兆8000億ウォンで2兆2000億ウォンが増加した。韓国はWTO(ドーハラウンド)の難航・長期化を受けてFTAによる自由化へ舵を切っている。農業大国のEUやアメリカ、オーストラリア、カナダの農業大国とFTAを締結している韓国。日本の農業も韓国から何かを得ることはできると思う。中韓FTAでは品目の開放は約90%。間違いなく、日本のTPPの限りなく100%に近い状態で開放させようとしているのだろう。韓国・カナダFTAも含めて、韓国と中国のFTAの動きには注目したい。必ずチャンスがあると思う。