中国最古の薬物学(本草学)書といわれている、神農本草経(しんのうほんぞうきょう、しんのうほんぞうけい)は、個々の生薬の薬効について述べている。
中国古代の伝説の帝王で農耕・医薬・商業の神「神農」にその名を託した。一年の日数に合わせた365種の薬物を上品(じょうほん、120種)・中品(ちゅうほん、120種)・下品(げほん、125種)と薬効別に分類されていることが特徴的である。
上品は養命薬(生命を養う目的の薬)で、無毒で長期服用可能。身体を軽くし、元気を益し、不老長寿の作用がある。
中品は養性薬(体力を養う目的の薬)で、使い方次第で毒にもなるので注意が必要。病気を予防し、虚弱な身体を強くする。
下品は治病薬(治療薬)で、毒が多いので長期にわたる服用はよくない。病気を治すために用いる。
とされている。このように「神農本草経」では保健もしくは予防的な薬物が上ランクに、治療薬が下ランクに位置している。『黄帝内経』、『傷寒雑病論』とともに中国医学における三大古典の1つに数えられる。
平成21年6月1日より施行された改正薬事法で、医薬品は副作用などによる健康被害の生じるリスクに応じて、第一類・第二類・第三類の3つに分けられ、最も注意が必要な第一類医薬品だけは薬剤師がいる店舗でしか購入できないという規則になりました。すでにこれとよく似た分類が、約2000年前の薬物書で使用の際の危険度に応じて薬物が分類されていたということに驚かされます。
漢方は5~6世紀に中国から伝わった経験医学をもとに、日本の気候や風土、体質に合わせて発展してきた。このため、使われる薬草や鉱物などは、本来は中国にあるものがほとんどです。
日本で生薬の栽培が盛んになったのは江戸時代。鎖国で中国からの輸入が途絶えたことから、八代将軍・徳川吉宗が似たような作用を持つ植物の栽培を奨励したためといわれています。ただ、気候・風土が異なる日本ですべての生薬を栽培することはできず、当時も必要な薬草は長崎から入っていたといわれています。
その後、日本で西洋医学が主流となったことで漢方薬の需要は激減。再び需要が増えるのは昭和51年、漢方エキス剤が医療保険の適用対象になってからです。
医療保険をめぐっては、一昨年の行政刷新会議の事業仕分けで漢方を保険適用外にするとされたが、患者や医師から猛烈な批判の声が上がり、結局は継続されることとなりました。
漢方薬の7割に使われている「甘草(かんぞう)」は、ほぼすべてが中国からの輸入品。甘草は野生品がほとんどで、乱伐による砂漠化の進展で収穫量が激減し、中国政府は約10年前から採取や輸出を制限している。甘草は生薬としてだけでなく、食品添加物や化粧品の原料などにも広く使われており、世界的な需要の高まりで価格は高騰を続けている。
なら、日本の農家も生薬育ててみよう!!
まずは、甘草・麻黄・マカをプランターで実験栽培中!!
中国からの輸入が大半を占め、第2のレアアース(希土類)化が懸念されている漢方薬の原料、生薬(しょうやく)(薬草)。中には世界的な需要の高まりで輸出が制限されているものもあり、不安な思いを抱く患者も少なくない。このまま中国からの輸入に頼っていて大丈夫だろうか!!
新しいこと考えてみよう!!