【親の自宅介護と自分の介護】特発性肺線維症(idiopathicpulmonaryfibrosis:IPF)6月6日退院し、自宅で在宅酸素療法を始めました。在宅酸素療法にかかる費用と難病(特定疾患)の申請について

目次

【親の自宅介護と自分の介護】特発性肺線維症(idiopathicpulmonaryfibrosis:IPF)6月6日退院し、帰宅し在宅酸素療法を始めました。

特発性肺線維症(idiopathicpulmonaryfibrosis:IPF)

特発性肺線維症は、本来ならば肺には肺胞というブドウの房状の小さな袋がたくさん集まってできていまが、この肺胞の壁の正常な構造が壊れて線維化し起こる病気です。進行の程度が速い患者さんの場合には抗線維化薬ピレスパ錠200mg(一般名:ピルフェニドン)を用いることにより、進行を緩徐にすることができる場合がありますが、効果には個人差が見られます。

薬には、必ず効果もありますが副作用もあります。起こりやすい副作用としては、光線過敏症(こうせんかびんしょう)、食欲不振、胃不快感(いふかいかん)、胸やけ、嘔気(おうき)、吐き気、倦怠感、眠気、γ-GTP(ガンマジィーティーピー)の上昇などがあります。

光線過敏症とは、日光に対して皮膚が過敏に反応し炎症が起こる症状で、健康な人では起きない程度の日光でも症状があらわれ、日光にさらされた部位に、赤みや炎症、かゆみ・軽い痛み・刺激感を伴う皮疹(ひしん)などの症状がでるのが特徴です。日光に含まれる紫外線が原因となることが多いといわれています。紫外線が発がんの原因となり、皮膚での発がんを促す可能性があるため、服用の際には十分な紫外線対策を行う必要があります。抗線維化薬ピレスパ錠は、進行を緩徐にすることができる唯一の薬ですが、病気に対しての効果と副作用、そして高価な薬でもあるので、服用するかは多面的に考える必要があります。

特発性肺線維症は、息切れ等が徐々に進行し、平均的な予後は病気を指摘されてから約5年とされています。病気が進行しているため在宅酸素療法を行うことになりました。父親の場合は高齢のこともあり、特発性肺線維症とは別に左右の肺に気胸が確認されています。気胸とは. 気胸(ききょう)とは肺から空気がもれて、胸腔(きょうくう)にたまっている状態をいいます。高齢のため開胸手術や肺移植をすることはできません。ですから、今できることは、在宅酸素療法により、少しでも肺の負担を減らし、適度な運動をし筋力をつけ、人生において限られた時間を後延ばしするのではなく、前倒しして楽しく穏やかに生活できるように家族として支えていきたいと思います。

在宅酸素療法の導入と自己負担について

今回、在宅酸素療法を導入するにあたり酸素濃縮装置と酸素ボンベを設置します。酸素濃縮装置と酸素ボンベ及び呼吸同調式デマンドバルブ(サンソセーバー)を利用するにあたり必要な負担額。
・健康保険の負担額が1割の場合: 7,680円/月
・健康保険の負担額が3割の場合:23,040円/月
※各都道府県、市町村、加入する健康保険の条件により異なります。
・薬代 ピレスパ錠 695円(1,400/日 42,000円/月)
※ジェネリック医薬品はないのが現状
 
特発性肺線維症は、「特発性間質性肺炎(とくはつせいかんしつせいはいえん)」の一種で、国の難病(特定疾患)に指定されています。一定の条件を満たせば、医療費の補助を受けることができます。

難病(特定疾患)とは

難病とは一般的に「治りにくい病気」や「不治の病」を指す言葉で、医学的に明確に定義された言葉ではありません。そのため、難病については、その時代の医療水準や社会事情によって変化します。
我が国の難病対策では、いわゆる難病のうち、原因不明で、治療方法が確立していないなど治療が極めて困難で、病状も慢性に経過し、後遺症のために社会復帰が難しいあるいは不可能であり、医療費も高額で、経済的な問題や介護など家庭的にも精神的にも負担の大きい疾病を「特定疾患」と定義しています。
現在、厚生労働省:平成27年度1月1日施行の指定難病(新規)には306疾患が指定されています。
厚生労働省:平成27年度1月1日施行の指定難病(新規)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html

医療費の補助とは

特発性肺線維症(特発性間質性肺炎)は、国の「難病(特定疾患)」に指定されています。診断基準により特発性間質性肺炎と診断された方のうち、重症度分類がIII度以上にあてはまる方は、医療費の補助が受けられます。重症度分類は、安静時の血液中の酸素の圧力と、6分間歩行試験時の血液中の酸素飽和度によって判定します。
ただし、特発性肺線維症以外の特発性間質性肺炎では、外科的肺生検で診断された方のみが医療費の補助の対象となります。該当するかどうかについては、主治医にご確認します。

手続きの方法

・必要書類
 (1)特定疾患医療受給者証交付申請書 (ご自身またはご家族の方などがご記入ください)
 (2)臨床調査個人票 (主治医に記入していただいてください)
    ※「難病指定医」が記載した、記載日から3か月以内のもの
    ※「指定医番号」が記載されていることを確認してください
 (3)住民票(世帯全員)
    ※「続柄」の記載のある、発行から3か月以内のもの
    ※保護者が申請する場合は、保護者も含まれているもの
 (4)同意書(医療保険の所得区分確認)
★(5)国民健康保険(世帯内で同じ医療保険に加入している方※全員分)  
★(6)生計中心者の所得に関する状況を確認できる書類(平成26年度市町村民税所得課税証明書)
    ※源泉徴収票、確定申告書、税務署の発行する納税証明書ではありません
★(5)(6)は、患者の方が加入している医療保険の種別によって書類を提出していただく対象が異なります。
 「世帯」とは『医療保険上の世帯』であり住民票の世帯とは異なります。
・提出先
 申請者の住所などを管轄する保健所

申請された日から「特定疾患医療受給者証」を受けとるまでにかかった医療費については、立替え払いとなりますが、後で保健所に請求できますので、領収書などは大切に保管します。領収書などを紛失された場合は、請求できません。

※各都道府県では、それぞれの実状に応じて医療費の補助が行われています。詳細については、最寄りの保健所にお問い合わせをします。

今日のお父さん(2015年6月6日)

今日退院し、帰宅できたことにより少し安心し落ちついている感じがしました。食事に関しても、入院前は呼吸を整えながら食べるので、食事介助を行わない場合には約1時間30分程度必要でしたが、今日は45分ぐらいで食べ終わることができました。

食事後は、キャリーカートを引っ張り近所の公園へ散歩兼運動に行ってきました。HOTを使用していない場合は、一度公園で10分程度の休憩が必要でしたが、HOTを利用していることもあり短い時間の休憩で呼吸を整え、散歩して帰宅しました。

入浴時もHOTを利用しました。背中を流すことにより、体の清潔を保ち、リフレッシュすることができました。入浴時には、脱衣から始まり、体を洗い、先発、湯船につかり、湯船から出て、体を拭き、服をきるなど、息苦しい動作も含まれますが今日はスムーズに入浴することができました。入浴後は爪も柔らかくなるので、足の爪切りをしました。

まだまだ、私にとっては何てことのないことでも、父親にとっては苦しいことが多々あると思うので、動きを良く見て少しずつ改善し、楽しく穏やかな生活ができるようにしていきたいと思います。

バリアフリー(Barrier free)を目指して 今日見つけたバリア

生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くため気がついた点を書き出し改善していきたいと思います。

トイレ編

日常の会話の中で「ちょっとトイレに行ってくる」という表現はよくつかいます。酸素吸引を行っている場合、「ちょっと」という行動がバリアになっています。特に、安静時に酸素吸入の必要がなく、動作時のみ酸素を吸う必要がある場合には、動作時にはカニューラをつけて行動する必要があるので、家族もトイレに行きたいなと感じた時はカニューラを持ってくるなどの対応が必要となります。

そして、トイレに入り尿や便をするわけですが、今までの習慣で扉を閉めることができないことに気が付きました。延長用のチューブがあるので扉を閉めることができません。そこで、DIYでチューブが潰れないように戸枠を削り、ヤスリがけをし、チューブが傷つかないようにし、チューブを通した状態でも扉を閉めて落ち着いて尿や便をすることができるようにしました。

まだまだ、環境整備は必要なので病状を理解し、生理的機能の低下も考慮し、適宜整備をしQOL(Quality of Life)を考え、生活の質を高め楽しく穏やかな生活ができるようにしていきたいと思います。

error: Content is protected !!