今日は、朝から青空が見えて暖かい陽射しが降り注ぎ〜
良い天気に恵まれました(^▽^)/
春の訪れを告げる「つくし」や「菜の花」がたくさん咲いていました♪
春ですね~♪
目次
ポーと猫の写真館
日本の医療とTPP(16)
アメリカでは政府だけでなく、製薬会社を監督する立場にあるアメリカ食品医薬局(FDA)も製薬会社の資金に頼っています。もっと正確に言うなら、製薬業界は自分たちの言うことを聞かせるために政府関係者を雇っているのです。
ある集団が政府に自分たちの有利になる政策や法案を作成するように圧力をかける行為を「ロビイング」といいます。製薬業界は、アメリカでは最大規模のロビイング団体です。行政府であるワシントンには約140か所の事務所が存在するといわれ、議員数を上回る数のロビイスト(ロビイングする人)がいます。ロビイストたちは、元議員だったり、議員秘書だったりで、政府とロビイストの間にはいつでも入れ替われる回転ドアのような仕組みが出来上がっています。日本の場合は、議員は官僚の使い走りですから、アメリカの回転ドア方式は、日本の官僚の天下りをもっと密にしたものになります。
一方、FDAは、新薬の審査や薬の副作用のチェックなど、医薬品の評価を厳しく行う役所です。1992年に新薬の承認にかかわる費用(審査料)は製薬業界が支払うという法案が成立しました。これでFDAの医療評価センターの予算の半分以上を製薬会社の資金が占めるようになりました。この資金によって、FDAの役人の数の増員が可能となり、新薬の承認スピードが早くなりました。しかし、これによって、医薬品の安全モニタリングや認可した後の医薬品の市場調査、医薬品製造基準の遵守状況の監視などの人材や資金が枯渇し、薬の安全性に関する調査・研究がおのずとおろそかになります。つまり、FDA本来の「監視機能」が損なわれる結果となったのです。また、「監視機能」のひとつである医薬品承認の諮問委員会のメンバーも、製薬会社から顧問と称して多額のお金を受け取っています。キツネに鶏小屋の番をさせているのですから、薬の「安全性」という建前など存在しません。原子力政策を進める日本の経済産業省の一部門である原子力保安院が「原子力は安全」と言うのと何ら変わりません。
製薬会社のターゲットは慢性病と子供です。いずれも長期間にわたって薬を服用させますので、製薬会社にとっては願ってもいないクライアントなのです。エイズなどの遅発性感染症も発症までの期間が10〜20年と長く、早期発見から合併症で死亡するまでたくさんの薬を必要とします。とくに胎児が母親から感染した先天性の場合、生まれた時から高価な抗エイズ薬を一生服用しなければなりません。子供に対する医薬品投与の問題は、子供に対して長期投与した場合の薬の効果、副作用などの安全性の研究があまりおこなわれず、とくに特許の切れた古い薬に対しては注意が必要です。もちろん、長期投与の場合には莫大な医療費が必要となります。
アメリカでは、19歳以下の子供約550万人が降圧剤を服用しています。そのほか、とくに最近子供に使用されることの多い薬にスタチン(コレステロール降下剤)、睡眠剤、糖尿病薬があります。これらは成人用に研究し開発されたもので、小児に使用した場合の安全性や効果についてのデータは非常に少ないのが現状です。
医薬品の約4分の3は子供への使用を掲載したものがないのです。つまり、成人用に作られている薬の安全性や効果を確認せずに子供にも流用しているのです。このような事実をどれだけの人が知っているのでしょうか。日本の小学生でも肥満児が急増していることなどから、アメリカの後追いをすることが予想されます。決して対岸の火事と言っていられる状況ではなくなってきています。貧富の差の拡大や、国の呆れるまでの腐敗を見ても、日本ほどアメリカの生き写しである先進国は世界には無いのですから、安穏とはしていられません。先日、韓国でも米韓FTA締結で施行された医薬品の許可特許連係制度により薬事法の一部改正を行うとの発表がありました。米韓FTAの包括的な協定である環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に参加する日本は、重要品目のとされる農業を聖域として守るために協議を行っていますが、医療に関しては報道されていないのが現状です。韓国での薬事法の改正に関しても、薬に関する特許に関連し、それに付随して販売方法に制限を加えるものとなっています。つまり、日本でもTPP妥結により同じような状況になると予想されます。韓国の場合、米韓FTA発行後2年で薬事法の改正が行われるので、TPPが発行した場合に日本でも2年もしくは韓国よりも早く薬事法の改正が行われると予想されます。
多国籍製薬会社がが、病気を根本的に治療する医薬品を作るはずがありません。根本的に治癒した時点で、製薬会社の病気ビジネスマーケットが消滅してしまのですから、そんな画期的な医薬品が発売されては困るのです。症状を抑えるだけの対処療法に終始する医薬品をあまた開発するのは当然のことなのです。その対処療法薬の最たるターゲットが「慢性病」と「小児」なのです。最近では、ビックファーマも新薬を創造する力がないと避難されますが、逆に人々を病気にしそれを利益に変える創造性は顕在しているのです。とうぜん、薬には副作用が強く出ます。その副作用のためビックファーマは多くの訴訟を抱えているのが現状です。そこで、次なる戦略は投薬から、確実に利益が出る訴訟のない商品へ舵を切り始めています。その商品の一番手はワクチンです。
つづく・・・