ペットボトル水耕栽培のリーフレタスも順調に成長中です。ペットボトルで野菜を育てるのも食育やリサイクルに繋がると思います。近年の食の安全・安心への志向、異常気象のなど、野菜の安定供給、品質の均一性、無農薬、清浄を保証する野菜への関心が企業や消費者の間で高まっています。ペットボトル水耕栽培も一つの栽培方法として、色々なペットボトルで野菜を楽しく栽培していきたいと思います。
目次
ポーと猫の写真館
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食の安全(2)
日本の農業と日本の医療について少しずつ書いている。なぜ、消費者の心を変えるのが、そんなに難しいのだろうか。シリアル食品で有名なケロッグ財団(Kellogg Foundation)は、すでに予算の大半を持続的食システムの推進に充てている。持続的食システムとは、安全で栄養価の高い食品を、環境に恥さしい方法で生産し、なおかつ価格が良心的であると定義している。同財団によれば、アメリカ産でこの基準を満たしている食品は全体の1%超にすぎない。そして、この割合を10%に拡大することを目標としている。この目標をクリアするためには、年間30%の割合で持続可能な方法で生産される食品が増加する必要があり、オーガニック食品の伸び率の約半分に相当する。
なぜ消費者の心を変えるのが、そんなに難しいのだろうか。一つには持続可能な方法で食物を生産するには、当然コストがかかることだ。その為には、啓蒙活動も含め徐々に印象操作や情報操作をする必要がある。最近何かと話題のトマトに関してだけ見ると輸入割合は大きく変わってはいないが、2002年には日本の生鮮トマトの輸入割合で1位77%(韓国)、2位16%(アメリカ)で、2009年だと1位38%(韓国)、2位34%(アメリカ)とアメリカからの輸入量が急増してきている。日本の最新の輸入同行は独立行政法人農畜産業振興機構(ベジ探)に詳しく記載されている。農家の支援団体が主張するように、輸入トマトの場合、1ポンド(1ポンド=453.6グラム)につき1セント(約1円)余分に払うだけで、トマトの生産農家が生活できるようになるというのは本当だろう。そして、この程度の金額を出し惜しみする消費者もあまりいないと思われる。
しかし、生産者だけでなく、梱包業者や肉の加工業者など、ありとあらゆる食品労働者を生活できるようにするためには、あと消費者はいくら払う必要があるのだろうか。やり甲斐のある安全な仕事に改善したり、食品産業に長年にわたって移民労働者や低所得者の労働力に依存している状況を解消したりできるほどの金額を、消費者は惜しまずに払うことができるだろうか。しかも、現代の食システムにおいて、低賃金の労働力は外部コストの中でも負担が軽い方で、それよりもはるかに大きい外部コストが多数ある。昨今のエタノールブームに見られるように、代替エネルギーではなく、地球そのものの環境を考え窒素固定効果のある植物の栽培を優先した場合、トウモロコシを原料とするありとあらゆるものの値上げを引き上げることになる。食の安全を求めれば、食品以外のコスト増にも影響する。確かに、一部の消費者は持続可能な方法で生産された食物には惜しげものなく割増料金を払うかもしれない。そして、本物の食べ物を口にするには、食料の値上がりが避けられないことを、より多くの消費者が理解することが大切だと考える。つまり、食の安全に関するキャンペーンには表と裏が表裏一体で動くことになる。食品にもっとお金を支払うべきであり、安い肉が販売されていたら、それはおそらく本来の肉ではないと消費者は理解する啓蒙活動なのかもしれない。
どれだけ多くの消費者が理解し受け入れることができるか、高所得者を別にすれば、消費者が食品を選択する際の基準は今でも価格であり、それが低所得者の間で生鮮食品の消費が少なくなり、それよりも安いジャンクフードの消費が増加する傾向に繋がる。米国では消費者意識の指標ともなるウォルマートが大々的に始めたオーガニック事業も6ヶ月もたたないうちに事業縮小したのもこのためだとお思われる。消費者がオーガニック食材に乗り換えれば、一世帯当たりの食費は約30%上昇するとも言われている。つまり、食の安全はお金でしか選択できないが、そもそも食の安全とはどこにあるのだろうか。食の安全に関わる心理戦。結局、持続可能な農業推進を推進するには、より多くの活動や努力がなければ消費者意識は変えることができないし、消費者も意識を変えなければならない。持続可能な食システムに移行する代償は他にないのだろうか。
つづく・・・