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日本の農業とTPP(14)
経済のグローバル化が進み、日本経済がその恩恵を享受してきた紛れもない事実のなかで、農業の国際化にどう対応するかという課題は避けては通れない。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を急がずとも、自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)などの2国間で自由化をすするめればよい、という意見もあるが、少なくともFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の創設に向けて、TPPもFTAもEPAも、そして世界貿易機関(WTO)をも同時並行的に進める必要がある。
賛否両論あって当然だが、大きな流れを言えば、国際社会がより自由で開かれた貿易体制に向かうことは間違いない。農業分野など除外品目に関する交渉があるが、TPP参加国でもGDPが高く、TPP参加メンバーにとっても望ましい。バスに乗り遅れたくないというような足元を見られる態度ではなく、主著すべきはきちんと主張すべきだろう。
コメの自由化をしてもコメ作りが壊滅しない理由は、農業関係者は最も気にする点だが、市場開放で外国産の安いコメが400万トンほど輸入されることににより、国内の生産が死活に関わる打撃を受けるのではないかということだ。
しかし、ジャポニカ米の生産国である米国、オーストラリア、中国、いずれも日本の稲作を壊滅させるほどの力は今はない。世界のジャポニカ米の産地を1つずつ検証してみよう。
まず、オーストラリア。この国は水が不足しがちで、水利権が売買されている。市場でどのくらいの値がつくか予想することで、水に最も高い値をつけられる作物が選ばれて栽培される。高く売れる割に、あまり水を使わないのが果実だ。野菜や小麦は、もっと少量の水で育てられる。
反対に、コメはもっとも大量の水を使う。そのため、オーストラリアでは稲作がほとんど壊滅状態になっている。最盛期には150万トンくらい生産していたが、2006年2007年と連続して「100年に1度の干ばつ」と呼ばれる異常気象にも見舞われ、1万8000トンまで収穫量を減らしてしまった。ようやく約10万トンまで戻しているが、輸出余力はない。逆に少量だが日本から輸入しているほどだ。
米国はどうか。700万トンコメを生産し300万トンを中南米やカリブ海諸国に輸出しているが、ほとんどがインディカ米で、日本で食されれる短粒種は200万トン程度にすぎず、輸出余力は限られる。
TPPの参加国ではないが、中国脅威論を声高に語る人もいる。ヘクタール当たり収量が10〜13トンの安いスーパーハイブリットライスが入ってくれば、日本産米は太刀打ちできないというわけだが、確かに安いかもしれないが、味はおして知るべし。日本のコメの品質。味の良さはオニギリにして食べ比べるとよく分かる。また、中国の稲作は広範囲でカドミウムや鉛による汚染などが懸念されているという状況であり、日本の市場を席巻するとは思えない。
世界のコメ市場は生産、消費の9割がアジアに集中している。生産量に対する輸出量の割合は6〜7%と極めて低い。中国は生産量と消費量で世界で1位だが、生産に占める輸出量の割合はわずか1%程度にすぎない。自国の消費をまかなうため、2008年には輸出抑制策が採られたほどだ。生産量と消費量で世界2位のインドも、輸出余力はほとんどない。
こうして見ていくと外国産米脅威論は案外根拠が薄弱であることがわかり、本命が農業や畜産分野ではなくそれ以外だということがよく分かる。しかし、農業や畜産分野以外の報道は少ない。医療や保険知的財産に関する理解し難い分野は既にTPPを導入前提に市場が動き始めている。医療分野では、少子高齢化に伴い看護師の賃金の低下や離職率の高さが問題となっており、外国人労働者を受け入れる方向に動き始めている。この先には外国人参政権の問題が控えている。
つづく・・・
今日もベランダの整理とこれから使うプランターをキレイに洗いました
育てたいものがたくさんあるけれど、場所が限られているので
その中でどう配置し育てていくか・・・
色々考え中です
そんな中、枝豆の湯あがり娘ちゃんが・・・
鳥に食べられているのを発見!
また、新しい種をまきました♪
使用済みペットボトルで枝豆対策をしないといけませんね〜
ポーと猫の写真館