【膝蓋骨脱臼】猫の膝蓋骨外方脱臼 治療プログラム|血液凝固第Ⅷ因子欠乏症の疑いで手術はできず(先天性血液凝固因子の異常)

今日はくうちゃんの膝蓋骨脱臼の手術の為、午前中に動物病院へ連れて行きました。夕方から麻酔をかけるとの電話連絡を受け動物病院へ向かいました。手術室には、麻酔がかけられ気管内挿管をされたくうちゃんが寝ていました。先生から言われたのは「今日は手術はできません」ということでした。

麻酔をかけ、左膝の手術の為、剃毛をしたところ青い皮膚変色が見つかり、異変に気付き通常よりも広くお腹までの剃毛をすると赤い出血斑があり、おしりの方にも点状出血が数個みられたのとのことでした。外傷によるものであれば骨折の可能性や筋肉の挫滅なども考えられるため、麻酔下であったためレントゲンを撮ったところ、骨折等はないとのことででした。私も確認させてもらいましたが、間違いなく出血斑がありました。何故このようなあざができたのか?身に覚えがありませんでした。膝蓋骨脱臼が見つかってからくうちゃんは以前のように走り回ったりすることはなく、おとなしくしているのでどこかにぶつけたりする可能性がないからです。仮にキャットタワーでぶつかったとしても大腿部の内側に皮膚変色ができるほどの打撲は考えられません。

先生からは人間の鎮痛剤や抗凝固剤などを誤って食べてしまった可能性はないかと聞かれましたが、そのような薬は家にはないのでそれも考えられません。術前の血液検査では血小板の数値は問題なかったので、凝固系の検査もしてくれました。その結果、トロンボプラスチン時間(ATPP)が正常範囲よりやや延長があることが分かりました。この時点で確定診断はできないのですが、凝固系の第Ⅷ因子欠乏症、いわゆる血友病の可能性があるので、出血斑が今後広がっていくか、又は減少していくか経過観察が必要であり、最終判断としては大学病院で凝固系の第ⅫI因子検査をして血友病が否定されなければ手術はできないということでした。
避妊・去勢手術の前には必ず凝固系の血液検査を実施しますが血友病の場合は血小板の値は正常なので、手術して出血が止まらず血友病が疑われたり、ワクチン接種後におしりが腫れ上がり病院連れて来てそのまま亡くなってしまったりすることもあるそうです。凝固因子欠乏症の検査は検診などでは調べてくれるのものではなく大学病院などで慎重に採血をし検査をするものでありまた、時間も費用も多くかかり、動物病院の先生からの依頼がなければ通常では行われる検査ではないそうです。

くうちゃんは以前に今回の動物病院で避妊手術をしていますが、その時も術前の血液検査では異常はなく、手術も無事に終わりました。避妊手術の時、出血が止まらないようなことはなかったのですがそれは、避妊・去勢手術ではあまり血管にメスがヒットしないこと、卵巣・子宮の血管を縛ってしまうのでほとんど出血することがないのでその時に気づかないことも多くあるそうです。第Ⅻ因子欠乏症は犬はビーグル、ドーベルマン、猫はアビシニアン・ソマリが多いそうです。ビーグルは輸血すれば出血が止まりますが、ドーベルマンの場合は体が大きすぎるので輸血が足りなくなってしまうそうです。猫の場合は8〜9割はA型なので、もし仮にくうちゃんがB型の場合は輸血ができない可能性出てきてしまいます。

猫の場合は、活性化部分トロンボプラスチン時間(ATPP)だけの延長が見られる病気は、第Ⅷ因子欠乏症が多く見られます。猫の第ⅫI因子欠乏症は、先天性血液凝固因子の異常です。猫は通常あまり症状がみられないことが多く、手術前の血液凝固検査で見つかることが多いそうです。症状としては、突然、赤紫色のアザや腫れが出たりします。通常の傷での出血や採血で血をとった時の出血は止まってくれます。第Ⅷ因子欠乏症も内因系の異常になりますので、血友病と同じで、活性化部分トロンボプラスチン時間(ATPP)だけが延長します。外因系のプロトロンビン時間(PT)も共通系のフィブリノゲンの異常も見られません。血小板の数も血小板の機能も正常の為、通常の出血は止まってくれます。第Ⅷ因子欠乏症の血液凝固因子活性を調べることで診断することが可能になります。まずは、出血斑が今後広がっていくか、又は減少していくか経過観察をし、出血斑が消え新たに出ないことを確認したいと思います。そして、大学病院で凝固系の第Ⅷ因子の検査を行いひとつひとつ確実に前に進んでいきたと思います。

まずは落ち着いて次にできることを考えたいと思います。どんな時も人間、落ち着きが肝心なのだと思います。大切なのは、人と猫が声を掛け合って、 コミュニケーションを取ること。麻酔から目覚めたくうちゃんが私を見て「ニャ〜」と鳴いて私の指を舐めてくれました。私だとはっきりと認識してくれていることが分かりました。私のことを信じてくれるくうちゃんがいました。だから、必ずくうちゃんを守りたいと思います。人は自分の大切な猫を責任をもって守ることによってのみ、自分を守ることができるのだと思います。まだ、くうちゃんを含め8匹の猫ちゃんがいます。あおちゃんもアレルギー性皮膚炎で戦っています。くうちゃんだって足の痛みと戦っています。私だけがここで手をこまねいて何もしないで待つことはできません。私一人が何もしないで負けるわけにはいきません。もちろん、まだ負けた訳ではありません。絶対に諦めないことが肝心なのだと思います。私の大切な家族は、私がしっかり守ってあげたいと思います🐾

ポーと猫の写真館

【くうちゃん】青い皮膚変色があり、その横には出血斑が広がっています

【くうちゃん】くうちゃん、今日一日だけ頑張ってね。明日の朝一番で迎えに行くからね!

【手術・入院同意書】

ポー
猫ちゃんの健康手帳 3月4日

05:32 りくちゃん(おしっこ)
12:16 ふくちゃん(うんち)
20:33 ふくちゃん(おしっこ)
23:35 りくちゃん(うんち)
23:40 だいちゃん(うんち)
23:48 かいちゃん(うんち)