猫の避妊・去勢手術 抜糸 だい・ふくちゃん(スノーベンガル)

目次

猫の不妊手術(避妊・去勢手術)

12月1日、スノーベンガルのだいちゃんとふくちゃんの避妊・去勢手術を動物病院にて行いました。
猫にとっての避妊・去勢手術について、病気でもない愛猫に手術を受けさせることはかわいそうだと思わないでもありません。しかし、手術をすることによるメリットとデメリットを考えると、愛猫が老齢になり病気でつらい思いをさせたり、飼い主が病気になることにより治療が難しくなり猫としての生活の質を落とすことを考えると、早めに手術を終えてあげるのも飼い主としての責任だと思います。雄猫の性成熟は9~12ヶ月、雌猫の性成熟は生後3~9ヶ月といわれ、ヨーロッパの国際猫医療協会(ISFM)や米国の全米猫獣医師協会(AAFP)などでは、生後6ヶ月齢以内に去勢手術を行うことを推奨しています。

雄猫の去勢手術

去勢手術のメリット

・前立腺の病気、精巣や肛門周辺の腫瘍、スタッドテイル症(釦状尾症・尾根部皮脂腺性皮膚炎)などを予防できる
・性的な欲求不満から来るストレスから開放される。また欲求不満が原因の問題行動も予防できる
・マーキング、叫び声、他の猫への攻撃性が軽減される
・ストレスと病気の軽減により、結果的に長生きできる
・手術前よりも性格が温和になり、仔猫らしい行動がみられることが多い

去勢手術のデメリット

・繁殖させたくても元の体に戻すことはできない
・性的ストレスがなくなることで基礎的な消費カロリーが減少し、肥満になる傾向がある
・手術費用がかかる

雌猫の去勢手術

避妊手術のメリット

・望まない妊娠を確実に避けることができる
・性的な欲求不満から来るストレスから開放される。また欲求不満が原因の問題行動も予防できる
・予防できる病気として子宮の病気(卵巣子宮疾患・子宮蓄膿症・子宮内膜炎・子宮癌・卵巣癌)や子宮炎、乳癌の予防となり、緩和できる病気としてはウィルス性疾患(FIV・FeLV等)、アレルギー性皮膚疾患、アレルギー性気管支炎、乳腺腫瘍などがある
・ストレスと病気の軽減により、結果的に長生きできる
・手術前よりも性格が温和になり、仔猫らしい行動がみられることが多い

避妊手術のデメリット

・繁殖させたくても元の体に戻すことはできない
・性的ストレスがなくなることで基礎的な消費カロリーが減少し、肥満になる傾向がある
・手術費用がかかる

猫の避妊・去勢手術をする目的

動物愛護という名の下でポリシーをもって去勢・避妊をしないと考える人もいるかもしれません。動物として自然な状態で飼いたいと考えも理解できます。コンパニオンアニマル(伴侶動物,Companion animal)として愛すべき猫の命の尊さを考えた場合、責任をもって最後まで生命と向き合い生を看取るのであるならば、自分の両親同様にコンパニオンアニマルに対しても同等の愛情を注ぐ必要があり、かわいそうな命は産まさない。新しい生命を産ませるなら責任をもって最後まで育て、十分な愛情を注ぐべきだと思います。完全室内飼いであっても人間社会で共に生活していく必要があるので、QOL(生活の質,Quality of Life)を意識し、人間は人間らしく、猫は猫らしく、満足して生活できるように心がけるべきだと思います。

動物は自然のままで生活することが理想的ではありますが、現代社会においては無理な考えだと思います。動物を「ペット」という形で社会に組み込んだ現在、動物を自然な状態で放し飼いにしたり、子供を産ませたりするのは、社会として無責任だと言わざるをえません。本来は猫は頂点捕食者かもしれませんが人が動物を飼うということは命を預かるということであり、命を預かる以上その生命を維持していくためにはお金は必要であり、そのために飼い主は経済的なゆとりを維持する必要があるのだと思います。猫も人と同じで、病気や高齢による介護も必要となります。お金をかけずに済ませようという考えは捨てるべきだと思います。

避妊・去勢手術の手順

去勢手術の一般的な流れ

・予約:去勢手術を決断したら術前に診察をしてもらい、問題なければ動物病院で手術の予約を取ります。
・手術前日:手術前日の夕方にフードを与えて以降は絶食します。(20時〜21時以降)ただし水は与えても結構です。獣医師から特別な指示がある場合はそれに従います。
・手術直前:排便・排尿を済ませて手術に望みます。術前検査(血液検査等)を行い問題がなければ手術を行います。手術は短時間で終わり、日帰りや1日入院程度で退院することができます。
・手術後:基本的に猫の場合は抜糸の必要はありません。創部に問題がなければ終了です。術後3〜5日間の抗生剤の内服の処方がある場合があります。

避妊手術の一般的な流れ

・予約:避妊手術を決断したら術前に診察をしてもらい、問題なければ動物病院で手術の予約を取ります。
・手術前日:手術前日の夕方にフードを与えて以降は絶食します。(20時〜21時以降)。ただし水は与えても結構です。獣医師から特別な指示がある場合はそれに従います。
・手術直前:排便・排尿を済ませて手術に望みます。術前検査(血液検査等)を行い問題がなければ手術を行います。開腹手術のため最低でも1~2日の入院が必要です。日帰りできる手術もあります。
・手術後:約1週間(7~10日)後に動物病院に連れて行き抜糸してもらいます。抜糸後約1週間は入浴できません。抜糸が必要のない手術もあります。術後3〜5日間の抗生剤の内服の処方がある場合があります。

【スノーベンガル避妊・去勢手術】2015年12月1日(避妊・去勢手術)ー12月6日(抜糸)

避妊・去勢手術の費用

避妊・去勢手術の費用は、15,000~25,000円。ただし地域や病院によって料金は異なります。避妊・去勢手術を行う場合に助成金(補助金)を受けることができる市町村もあります。手術前に手続き・申請が必要な場合があります。助成・対象等についてはお住まいの市町村の担当課へお問い合わせお願いします。

インフォームド・コンセント Q&A

避妊・去勢手術についてよく説明を受け、十分理解した上で、飼い主が自らの自由意思に基づいて医療従事者と方針において合意したり、説明を受けた上で治療を拒否をする。避妊・去勢手術では全身麻酔をかけて手術を行うので、猫自体に苦痛を与えることはない。一般的に、雄猫の場合、睾丸摘出術(orchiectomy、orchidectomy)は、陰嚢を切開して睾丸と副睾丸を全部摘出します。雌猫の場合、卵巣摘出術(oophorectomy,卵巣割去)、または卵巣と子宮の全摘出手術(ovariohysterectomy,卵巣子宮摘出術)が行われます。手術は比較的簡単にできるもので、手術による危険や弊害は少なく、手術の際には、痛みが少ない術式を選択し、薬剤によるペインコントロールを行うので安心です。しかし、術後に縫合糸を噛み切ったり、縫合部を噛むことを防ぐためにエリザベスカラーの装着が必要だったりと、猫にとってはストレスを受けるので、施術の際は値段だけの比較をしないで、手術のクオリティーにもこだわり、獣医師と相談していただきたいと思います。

エリザベスカラーはつけた方がよいですか?

手術後、人間でも創部をガーゼや包帯で保護します。猫の場合は、縫合糸の種類に関係なく縫合糸が気になり、創部を舐めたり、縫合糸を噛み切ってしまうケースもあるので、手術後の約1週間の過ごし方も含めて獣医師と術式等の説明を受けて選択する必要があります。雄猫の場合は抜糸はありませんが、雌猫は開腹手術のため術野を清潔に保つため、剃毛範囲も広くなります。切開創が小さく、縫合は皮下織(皮膚の内側)と真皮(皮膚)の表面を縫合してもらい、表皮はステンレスワイヤーで縫合することにより、縫合糸を噛み切ってしまうことのないようにします。猫が違和感を感じることが少なくなるよう切開創を小さく手術を行う獣医師の場合は、縫合糸を過剰に舐めたり、噛んだりしなければ手術後にエリザベスカラーや腹帯をつけることなく生活することができます。

表皮の縫合糸については、ブレードとモノフィラメントとがあり、細い繊維が何本も束になり1本の糸となっている糸をブレードと呼びます。それに対してモノフィラメントは1本の糸のため、糸自体に細菌等が入り込むスペースがなく、細菌による感染を起こす危険性も低く通常の手術でも使用されます。非吸収糸には絹糸やナイロン糸やステンレスワイヤーがあります。絹糸はシルクから出来た天然素材の糸であり、生体にとっては異種タンパクなので比較的強い組織反応を示します。術前に使用する縫合糸についても獣医師に確認します。

避妊・去勢手術後のフード切り替えはどうしたらよいですか?

避妊・去勢後に消費カロリーが低下し、食欲旺盛になり肥満になりやすくなる傾向があります。無理なく猫の食欲を満たし、さらに満腹感を持続させるフードに切り替えをオススメします。

・ROYAL CANIN(ロイヤルカナン)・・・ステアライズド アペタイト コントロール
第1〜3主成分:家禽ミート(鶏・七面鳥)、とうもろこし、植物性繊維、350 kcal/100g

・日本ヒルズ・コルゲート株式会社・・・サイエンス・ダイエット〈プロ〉健康ガード 避妊・去勢
第1〜3主成分:米、コーングルテン、チキン、319kcal/100g
・ニュートロジャパン・・・避妊・去勢用 アダルト 白身魚
第1〜3主成分:生白身魚、乾燥チキン、粗挽き米 、360kcal/100g
などのフードがあります。

スノーベンガルの避妊・去勢手術を終えて

12月1日にスノーベンガルのだいちゃん(雄)とふくちゃん(雌)の避妊去勢手術を行い、12月6日にふくちゃんの抜糸を行いました。手術前の血液検査では問題はなく手術を行い、無事手術を終えることができました。現在8匹の多頭飼いのため、他の猫に与える環境の変化と、手術を受けた猫のストレスを極力排除する目的で、エリザベスカラーをつけなくても生活ができるよう極力創部を小さくしてもらうこと、術後の抗生剤の内服をさせることは大きなストレスになるため術中に抗生剤の点滴を滴下してもらうように獣医師にお願いをしました。過剰なグルーミングやステンレスワイヤーを噛み切ることもなく6日間を過ごすことができました。避妊・去勢手術を行ったため食欲旺盛になるので適度な運動と体重管理、栄養バランスを考えフードの調整をしていきたいと思います。

スノーベンガルの避妊・去勢手術の費用
・12月1日:雄1匹、雌1匹(血液検査、手術代等)
  ※住んでいる市町村ではない動物病院を利用したため助成金の利用せず。
  避妊手術代 22,140円(税込)
  去勢手術代 11,340円(税込)
  合計 33,480円(税込)
・12月6日:
  抜糸代 540円(税込)

手術時体重
・だいちゃん(雄):5kg
・ふくちゃん(雌):2.75kg

【だいちゃん血液検査(スノーベンガル雄)】多血症は術前のフードの制限のためで特に問題ありません

【ふくちゃん血液検査(スノーベンガル雌)】多血症・脱水症は術前のフードの制限のためで特に問題ありません