猫と一緒に古民家再生をしたいと思い時間をかけて物件を探しをしていました。築年数が100年近くなると、今ではもういかに望もうと手に入れることのできない古材独特の色調、美しい古色の雄大な梁組み、力強い柱などの構造。しかし、日本の歴史を感じられる家で静かに暮らしたいという思いでずっと物件を探していましたが、思い描く物件に出会うことができませんでした。新築も考えました。私の中でここで古民家を再生しようと決めていた工務店さん。ずっと親身になって相談にのってくれていた営業の方が退職してしまい、私の思いを理解してくれる人がいなくなってしまいました。
猫が自由に暖かい日差しの中で穏やかに過ごせる空間。時間がゆっくり流れ癒される空間。そして、大好きな緑に囲まれ、野菜やハーブを育て、毎日草むしりをしながら植物の成長を見て過ごす日々。これが私が望む生活です。
時間はかかりましたが、やっとそんな日々が過ごせそうな場所を見つけました。最初に考えていた古民家で和風の家ではありません。広い土地でもありません。庭に草木は一本もなく砂利で固められた土地の中古住宅です。本当に何もない状態だからここから自分の好きなような家づくりができるかなと思いこの物件に決めました。
暖かい日差しが一番入る部屋は猫部屋に。大工さんにお願いをし猫部屋に大きなキャットタワーを作りました。間取りの変更はしないで、今ある空間を活用しできる限り私の理想に近づけるように考えました。今はポツンと家が建っているだけの状態。毎日少しずつ敷地の固まった地面を掘りながら土をふるいにかけ石ころを取り除きながら土作りの下ごしらえをしています。土は命の源であり、生きとし生けるものを生かしてくれます。土は大切で尊いもの。自然が生きている全ての生物に与えてくれたもの。
庭に緑はありません。まず心に覚悟と忍耐と努力の種をまきました。この種から芽を育て,根を太く育て、実り収穫できると信じて。これから少しずつ庭造りを楽しんでいきたいと思います。