NEC PC-TV454 15インチカラーディスプレイ 修理 備忘録

【NEC PC-TV454】確認しながら作業を進めます

NEC PC-TV454 15インチカラーディスプレイテレビ(マルチシンク3モード)。入力系統が多く非常に便利なブラウン管ディスプレイ。しかし、久しぶりに使用すると垂直同期の以上で画面が上下に激しく流れる状態。上下に画面が流れるのは、垂直同期回路の異常で、前面の画面下にあるパネルを開き小さな垂直同期ツマミを回してみましたが一時的に流れが止まってもまた流れ始める状態なので修理を試みることに。さらに画面も若干暗く感じるため、これも同じくRGB明るさツマミを回すも大きな変化はなし。画面が暗くなるのは、ブラウン管の周りについた埃なども影響するためディスプレイを分解して修理できるか試みることに。

PC-TV454 の発売は1989年01月01日で定価は128,300円でした。入力系統が多いのがこのディスプレイの特徴でVHFアンテナ端子、UHFアンテナ端子があり、RGB(8P)デジタル端子、RGB(15P)アナログ端子、、RGB(9P)アナログ端子、RGB(21P)マルチ端子、S映像入力端子、ビデオ入力2端子と1台のディスプレイで非常に多くの映像を入力することができます。

ブラウン管ディスプレイの不調の原因としては
1:映像増幅回路の不調
2:スクリーンバイアス電圧異常
3:ブラウン管の電子銃特性劣化
などが考えられます。

今回はX68000をRGB(9P)アナログ端子で接続しテストしているので、すべての端子の動作確認は今後の課題となります。垂直で画面が流れるので図面が無い状態なのでRGB(9P)アナログ端子から逆に遡って調べてみます。RGB(9P)アナログ端子では垂直をコントロールしているのが5番端子(垂直同期信号入力 V.SYNC)です。色合いの調整は、1番端子(赤映像信号入力 RED VIDEO)、2番端子(緑映像信号入力 GREEN VIDEO)、3番端子(青映像信号入力 BLUE VIDEO)となっています。

PC-TV454の基板には多くの穴が空いていて熱の放熱をしています。ハンダ割れは、通電し動作することにより高温になり、電源を消すことにより冷え、これの繰り返しによって熱膨張と収縮の繰り返しによる金属疲労が原因となります。ディスプレイ内部にはかなりの高圧がかかっており、感電の危険があるため、コンセントを抜き自然放電させるか、強制的に放電させる必要があります。テスタで調べても短い期間では自然放電しても電圧は下がらないので注意が必要です。

はんだは必ず吸取器を使用し新しいはんだを流していきます。一応ゴム手袋をし、ショート時に飛び散ったはんだ等が目に入らないようにゴーグル等を使い作業を進めます。再はんだをすれば、鈍い鉛色からキラリとした金属性の輝きに戻ります。はんだ付け作業の際に出る「半田ヤニ」を無水アルコールで清掃していきます。まだ部品交換をしたわけでもなく完全な状態ではないですが、グラディウスを起動してみると画像は流れることなくキレイに表示されました。まだ全てのはんだを付け替えした訳ではないので、まだまだ時間はかかりますが、画像が流れて全く操作できな状態からは確実に改善を確認することができ、この先の展望が少し開けてきました。

ブラウン管ディスプレイには液晶ディスプレイとは別の夢と希望と可能性がまだまだあります!

【NEC PC-TV454】キレイに拭いて
【NEC PC-TV454】
【NEC PC-TV454】
【グラディウス】画面が流れなくなりました